その子が泣きながら、『希美っ』と叫ん
でるのを見て、委員長が下敷きになって
る事がわかった。
俺が駆けつけたと同時に、プツッと糸が
切れたように気を失った委員長からは、
生々しい赤が溢れていて。
何やってんだよ……!
自分が女だって、わかってんのかよ!?
傷でも残ったら、どうすんだよ……!
俺は棘がささる事も気にせずに、乱暴に
木材をどけると、委員長をいわゆる姫抱
っこに抱えて保健室まで運んだ。
保健室の先生はタイミング悪く不在。
とりあえず委員長の血を拭って、包帯を
巻いてやる。
頭の治療はオッケー。
次は、結構背中もやられてたから、背中
の手当てもしなくちゃならない。
―――ゆっくりと、彼女の首もとへと手
を伸ばす。


