俺が助けて、と願えば、彼女は俺を助け
てくれるんだろうか。
あの笑顔を、俺に向けてくれるんだろう
か。
……何、考えてんだろ。
柄にもない事を思った自分に嫌気が差し
て、ぎゅ、と拳を握った。
俺、相当委員長に溺れてる。
だって……だって―――
「私、香坂みたいな女好き、嫌い」
彼女の言葉がこんなにも、俺に突き刺さ
る。
たった一人の女の子の言葉で俺は、一喜
一憂してしまっているんだから。
あれだけ女の子に嫌われたかったのに、
今は彼女が俺を軽蔑の眼差しで見てくる
のがすごく怖い。
今すぐ逃げ出したくなるくらい、息が詰
まって。


