委員長は偶然鉢合わせになった、俺にフ
ラれた女の子から愚痴を聞かされ、慰め
ている、と。
なんだそれ……。
「んなの、ほっときゃいいじゃん」
俺がそう言うと、彼方はケラケラと笑っ
た。
「バッカだな~!委員長なんだから、見
過ごせないだろ!人望を損なう訳にはい
かないし?それに、見捨てられないのか
もよ?」
「見捨てられない?」
「そうそう。どこかの誰かさんに、こっ
ぴどく裏切られた女の子を、さ」
彼方はそう言うと、わざとらしく俺を見
た。
なんだよ、俺が悪いのかよ?
だって俺は、抱くだけで、精神的な関係
は持たないって最初に言ってるんだぞ?
―――惚れるな、とは言わない。


