それすらも義務的にやっている自分に吐
き気がする。そんな自分が哀れで。



俺は一生こうやって自分を偽って生きて
いくのだろう、と思った。



―――思っていたんだ。



「学級委員を務めます、篠田希美です」



そんな透き通るような、でも凛とした声
に思わず顔を上げた。



篠田希美。



そんな彼女の名前が、鮮明に刻み込まれ
た瞬間だった。



そして、きっと―――。



俺が彼女に恋心を抱いた、瞬間。







「―――ごめんね。そういうつもりで、
抱いたんじゃなかったんだ……」



「どうして……」