それすらも義務的にやっている自分に吐
き気がする。そんな自分が哀れで。
俺は一生こうやって自分を偽って生きて
いくのだろう、と思った。
―――思っていたんだ。
「学級委員を務めます、篠田希美です」
そんな透き通るような、でも凛とした声
に思わず顔を上げた。
篠田希美。
そんな彼女の名前が、鮮明に刻み込まれ
た瞬間だった。
そして、きっと―――。
俺が彼女に恋心を抱いた、瞬間。
「―――ごめんね。そういうつもりで、
抱いたんじゃなかったんだ……」
「どうして……」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…