愛されたい、なんて。

そんな事を、また、願っているのか?



きっと違う。



俺を好いてくれるのなら、それがいい。
俺を愛してると想ってくれるなら、どん
な罰だって受けてやる。



だけど俺は愛されるのがまだ、怖いから




君を見ているだけで

君と喋れるだけで

君が笑顔で居てくれる、それだけで。



幸せだと、そんな生ぬるい所でとどまっ
てるんだろう。



俺が彼女を好きになったのは。



―――入学してから、すぐのことだった。



「禊くんっ!今度、禊くんのお家行きた
いなぁ~?」



入学早々、俺に媚を売ってくる女の子。