ハッとしたように顔を上げた香坂の瞳は
動揺に揺れていて。何かにすがるように
怯えていて。
金髪の向こう側、私を捉える視線の切な
さに胸が痛んだ。
「あ、ご、ごめ……」
「―――委員長」
不意に低く名前を呼ばれて、驚く暇も無
く、ぐいっと身体が反転した。
―――ドサッ
背中に馴染む柔らかい感触。
揺れる瞳で、私を見つめる微かに濁った
香坂の目―――。
「……え、香坂……?」
気付けば、香坂が馬乗りになっていた。
顔の横に両手をつかれて、逃げられなく
て。
「委員長……ここ、ベッドの上だよ?」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…