香坂は俯いて、金髪で表情が隠れてしま
って、気持ちを読み取れなかった。
声色で真意を探ろうにも、あまりに無機
質な声で、無理だった。
「……だけど、困る。本気になられるの
は。好きになんて、なれないから」
「なにそれ。女子が嫌いとか?」
「違うよ。俺の身体なんかに寄ってくる
女共を愛せないっていってんの」
ハッと鼻で笑った香坂の声は、どこか怒
りを含んでて、寂しくて。
私は思わず、香坂のキレイな金髪を撫で
ていた。
「―――え?」
驚いたように私を見上げる香坂に、私は
咄嗟に手を引っ込めた。
な、なにしてんの私!


