ごめんね委員長。 あと少し、俺の傍に居て。 そしたら君を、解放するから──。 「……ねえ委員長、今年のバレンタイン って、日曜日だったよね?」 「ん?……んー、多分そうだったかも」 それがどうかしたの?と首を傾げて俺を 見上げる委員長に、微笑む。 「……その日は、せっかくだしデートで もしようか」 そう言うと、うん、と嬉しそうに笑うか ら。 どうしようもなく胸が痛んだのには、気 付かないフリをした。 ◆◆◆ 二月十四日。 バレンタイン当日、俺は朝から色々と準 備をしていた。