とてもよく整った顔立ちをした、男の子
。
だけど。
そこには子供特有の無邪気さも活発さも
残っていなくて、その子は、唇を固く引
き結んで、感情のない瞳をしていた。
まるで、自分の在るべき姿をすでに悟っ
たかのような───。
「これね、私の子。……健二さんと、私
の子供よ」
どこか嬉しげな表情で、そう言って見せ
た女。
俺は暫く、その意味を理解することがで
きなくて。
ただ、ぎゅう、と強く、強く握られた手
に、泣きたくなった。
「……は?俺と香坂の、子供……?何、
いってんだよ……」
「あの日、実は子供が出来てたみたいな
の。正真正銘、私と貴方との子供よ」


