思わずゾワリと全身の毛が逆立った。
ソファーに座った瞬間感じたのは、とて
つもない憎悪の視線。
見れば、あの女の人が、俺達二人を、穢
らわしい物でもみるかのように、蔑んだ
瞳で見下ろしていたんだ。
俺は怖くなってすぐに顔をそらして、繋
がれた母さんの手に力を込めた。
それに気付いた母さんが、「大丈夫」っ
ていってくれて、俺は震える身体を必死
に抑えていた。
「……それで、話って?」
「ああ、ちょっと待っててね?」
父さんに話かけられた瞬間、さっきまで
とはうってかわり、とても綺麗な笑顔を
浮かべた女。
女は、そう言うと何故かリビングから出
ていった。
そして───……。
また戻ってきた女に連れられてやって来
たのは、俺と同い年くらいの、男の子だ
った。


