そう弱々しく呟いたのは母さんで、揺れ
る瞳で、父さんを見つめていた。
そんな母さんに、父さんが僅かに微笑む
。
「……千枝、大丈夫。大丈夫だから……
。和馬と一緒に外に出ててもいいぞ?」
そう言うと、ふるふると首を横に振った
母さん。
「……いえ、ここに居ます。ここに、居
させて……?」
母さんはそう言うと、俺の傍までやって
来て、俺の手を握った。
「和馬、お母さんの傍に居てくれる?」
今にも泣き出しそうな、頼りない瞳でそ
ういうから。
俺は迷わず頷いたんだ。
俺がうなずくと、母さんは微笑んで、俺
を連れてソファーへと座った。
ソファーに座った時。


