───12月。


いつの間にか、吐息は白く染まり、マフ
ラーと手袋が必需品となっていた。



俺はズボンのポケットに手を突っ込みな
がら、うつむきがちに歩く。



吹き付ける冷たい風が、丸で今の俺の様
子をそのまま映し出しているようだった




あれから、委員長には触れていない。



委員長とは普通に話したりするけれど、
もう安易に触れることが出来なくなった




俺が、臆病だから。



また、あの日みたいに、キスマークなん
て見せられたら、俺はあの日よりも深く
傷付くから。



怖いんだ。



委員長はもう手に入らないんだって事実
を突きつけられて、それを認めなくちゃ
いけないのが怖いんだ。



認めたくなんて、ないから。



まだ望みはあるんだって、思っていたい
から。