俺は思わず、拳を握りしめて、近くにあ
った壁を思い切り叩き殴っていた。



ドンッ!!という鈍い音に、委員長が震
える。



俺は委員長の目も見られないまま、低く
呟いた。



「ごめん委員長、やっぱり今日は帰って
くれる?」

「……香、坂……」

「頼むから、帰れ」



そうもう一度強くいい放つと、委員長は
俺を気にしながらも、保健室から去って
いった。



駄目だ。



あのキスマークをみた瞬間、激しい嫉妬
に襲われて。



あのままじゃきっと、委員長を無理やり
犯していたかもしれない。



「……クソッ…!」