委員長が俺を見つめてくれるだけで。
委員長に触れられるだけで。
俺はこんなにも満たされるんだから。
「……委員長、俺をちゃんと恋人だと思
って?」
委員長の頬を優しく撫でながら、そう囁
きかける。
だけど委員長は、ふいっと目を逸らした
。
「……でも、やっぱり和馬君に悪い…」
「───それ以上その名前口にしたら、
俺、委員長になにするかわかんない」
自分でも驚くくらいに低い声が出て、委
員長も驚いたように俺を見上げていた。
「委員長、今は俺の事だけを考えて」
俺はそう言って、委員長の額にキスを落
とした。
あんな男のことなんて、俺が忘れさせて
やるよ。


