現に男子高校生からは、「フェロモン京
子ちゃん」なんてあだ名をひっそりつけ
られてるくらいだから。
そんな京子先生は、俺に気付くと、艶っ
ぽい視線で俺を見つめた。
「あらいらっしゃい、香坂クン」
「センセー、ちょっと今日の放課後、こ
こ借りたいんだけどいい?」
そう首を傾げて見せると、クスッと笑う
先生。
「ここを貸し切りにして、何をするつも
り?」
「やだなあ、京子センセーだってわかっ
てるくせに」
先生に負けないくらいの艶っぽさを含ん
だ声でそう、先生の耳元で囁く。
「ふふっ、悪い子ね。たまには私とも遊
んでよ?」
「うん。ありがとうセンセー」
先生はクスッと笑ってから、保健室を出
ていった。
……先生も、案外チョロいもんだ。


