その様子を、机に頬杖をつきながら眺め
て、そう言った萌。
「……オトモダチ?」
「そ。一緒にイケナイ事をする、オトモ
ダチ」
その瞬間、萌の言葉の意味が理解出来て
、カアッと頬が火照ると同時に、ぎゅう
、と胸がわしづかみにされたように痛ん
だ。
こんな感情、おかしい。
香坂が色んな女の子と"そういう事"をし
てたのなんて、とっくの昔に知っていた
事実なのに。
それが今さら、死ぬほど嫌だ、なんて。
……そんなの、おかしい。
その時。
「……ちょっと黙ってくんない?つか、
俺に喋りかけないで」
香坂が低くそう吐き捨てたかと思うと、
ガタリと椅子から立ち上がって、教室か
ら出ていった。


