「目がパンダみたいだから、パンダちゃ
ん」



……それもう悪意しかこもってない気が
するのって私だけ?



そのパンダちゃんは、香坂に甘い声を投
げつけながら、ネイルこてこてになって
る手で、香坂の腕に触れた。



──もや……。



「……?」



その瞬間、何故か胸にモヤモヤしたもの
が発生して、私は眉を寄せた。



……なんだこれ、気持ち悪い。



「ねえ最近冷たくない~?」



最近冷たくない?って聞くくらいなんだ
から、前は優しかったの?……あれ、な
んでだろう。



香坂があの子に優しかったってだけで、
すごくイライラする。



「パンダちゃん、香坂のオトモダチだっ
たみたいだね」