マジかよ……なんて呟きながら、項垂れ
ている。



「とうとう希美ちゃんも男のモノに…」
なんて呟く奴も居た。



ここに転校してきてすぐ、希美がモテて
るのはわかってた。"高嶺の花"だなんて
言われてることも。



それもそうだ。


恋人とか、幼なじみの欲目を抜いたって
、希美はすごい綺麗だから。



「もう俺のなんだから、狙ったりすんじ
ゃねーぞ」

「……わかってるよ」



牽制するようにそう言って、予防線を張
る。



誰にも渡すつもりなんて無いけど、一応
、念のため、だ。



───ガンッ!



その時、机を蹴っ飛ばしたかのような音
が聞こえてきて、そちらをみると、香坂
が俺を睨むように見ていた。



その顔はおもいっきり不機嫌そうだ。