その言葉の真意を探るべく、心当たりを
探してみるが、気を失ってたからまさか
、覚えてるハズもなく―――



チラリ、と香坂を見ると、香坂は何故か
ニコニコと笑っていた。



―――それ。その笑顔、嫌い。

人懐っこい犬みたいな笑顔見せといて、
実際は笑ってなんか居ないくせに。



あんた、何考えてるのかわからないのよ



「とりあえず、手当てはしたんだけど、
どっか痛い所、ある?」



「え……」



そう言われて額に手を当てると、まだ真
新しい包帯が巻かれていて。



意外に、器用なんだ……。



私は香坂を見つめると、かるく首を左右
に振った。



「ううん……特には―――……」



特には、ない。

頭も―――背中も。