いつの間にか寝かされていたベッドから 上半身を持ち上げたら、彼に会いたいだ とか、懐かしいだとか。 そんな思い、全部が吹っ飛んだ。 「あ、起きた?」 陽気にそう言いながら、椅子に座って、 私を見つめたのは 「こ、香坂禊……っ!?」 「うん?何故にフルネーム?」 思わず口から零れた言葉に、香坂は可笑 しそうに笑った。 「ど、どうしてここに居んの!?」 「え、酷い言われようだな。俺、委員長 を助けてあげたのに?」 「―――え……」 助けてあげたのに……って、どういう事 ―――……。