「それでね―――……」 それは、萌と他愛ない話をしていた時の 事だった。 横を歩く萌に、笑いかけながら相づちを 打っていたら、ふと、遠くの方に立って いた女の子が、驚愕の表情を浮かべて。 ―――何。 「危ない!」 そんな彼女の声と同時に、近くに立て掛 けてあった、身長よりも高い木材が倒れ てきた。 ―――反射だった。 突然の出来事に、足がすくんで動けずに 居た萌を庇うように上から覆いかぶさり 、そのまま床に伏せた。 ―――ガシャガシャッ