「えー。適当に散歩とか」



家でしおらしく待ってるのもなんだか居
心地悪かったから、適当にぷらぷらして
ようと思ってたんだけど。



「駄目!女の子は時間ギリギリに家を出
てから、わざと遅刻して"ごめーん、待
ったぁ?"って言うのが理想なの!」



お母さん、少女漫画の読みすぎだよ。



わざわざ遅刻してとか、もう軽いいじめ
じゃんか。



「ていうか家に迎えに来るって言ってた
し」


「じゃあなおさら駄目じゃん!」



お母さんはそう言いながらも、私を別の
洋服に着替えさせていく。



それから、無造作に束ねてあっただけの
髪の毛をほどくと、今度はその髪の毛を
巻き始めた───って!



「ちょ……!そこまでしなくていいから
!」



ただでさえ、ピンクのシフォンスカート
なんて穿かされてるんだよ!?