気づけば、白い空間の中で一つの小さなコントローラーを握っていた。

―これが僕の人生(ライフ)を

削っていくとは、まだ僕は知らなかった。




ピエロは笑った。不気味な笑いだった。

笑いながら、足音をたてながら、

涙を流して迷い込んでしまった小さな女の子に話しかけた。

「知ってるかい、知ってるかい。あのことを知っているかい。」

女の子は何のことか分からず首を傾げた。

「そうか。そうか。ならば、
 一つ楽しいお話を、教えてあげよう。
 ある所。誰も知らない場所。
 誰も来ない場所。だって
 僕だけの空間だから、だと。」

女の子はまるで意味がわからない。

それよりピエロの笑いに怯え、震え、

たまらずその場を逃げ出した。

ピエロは何か言いながら追いかけてくる。

女の子は耳を塞ぎたかった。

塞げなかった。

何か重い物が自分にのしかかっていることがわかった。

言葉がでない。

だが出たとしてもここには誰もいないだろう。

「・・・シュウ、マク」

そんな声が聞こえた気がして、女の子は、



もう、肉片すらも残っていない。


女の子は完全に動けなくなってしまった。

動きすぎた罰だった。

空間の中で動きすぎた。疲れてしまった。

【制限】がかかってしまった。