お風呂から上がって髪を乾かし、携帯を気にしながらベッドに入った。


帰宅してから2時間近くが経った今まで、それは何の変化も示していない。


いつもなら、とっくに帰宅しているはずの橋本君から数通のメールが届き、それを呆れながら読んでいる所なのに。


おかしいわね……


疲れて、眠ってしまったのかもしれない。


悪い事、したかな……


そう思うのに、頭の中を過ぎるのはそんな事。


車の中であたしが頷いていれば、橋本君はきっと満面に笑みを浮かべたに違いない。


別れ際に見た彼は、どんな顔をしていただろう。


ついさっきまで一緒にいたのに、何故か橋本君の表情が思い出せなかった――…。