プラスチック



「佐伯君が……見てる……」

嗚咽交じりに訴えると、俺のことは気にするな。なんて、よくわからないことを言って笑う。
その笑顔につられて、つい私の頬が緩んだ。

「そういう顔してろ」

佐伯君は、傍で私の泣き笑いを見て、何故だか満足そうに笑っている。

上辺じゃない笑顔の私に、上辺じゃない佐伯君の笑顔。

私は、今日、初めて自分を曝け出すことが出来た。
プラスチックの丈夫さは、傷つきやすい心を抱え、気付いてくれた目の前の相手に心を開いた

寒い冬の屋上で、佐伯君の見守る笑顔がとても温かく感じた。