横でごそっと音がし、私を教室に引っ張り込んでくれた人の存在を思い出す。

横を見る


…優真…?

反対を向いているけど、間違えるはずがない。

記憶がある時からずっと隣に住んでいる幼馴染だから。


「はい」

そう言って彼は自分の首に巻いてたタオルを差し出してくれた。

「汗臭いだろーけど我慢しろ」

私がぽかんとしていると、こっちを向いて、

「涙、ふけ」

と言った。


あぁ涙ね。

私は優真からタオルを受け取った。


「じゃ、俺行くから」

優真が立ち上がった。