一人になったKもまた…

被っていた仮面を外した。

その目は真っ赤に充血していた。

「こんなんで感動して裁判官がつとまるのかなー、うぅ。ま、こんな話そうそうないか」

彼は一枚の書類を取り出した。
もうボロボロに破れていた。

それは…

彼女を監視すれように言われて、
その毎日を書きとめていた書類だった。

そこに彼女の人生の歴史がつまっていた。

懐かしそうに見ながら、Kはつぶやいた。

「ごめんなさい… ぼくはひとつ、あなたに嘘をつきました」