そのトラウマのせいか、
ここに来ても彼にとって周りの存在は、
すべて恐怖にすぎなかった。
自分が死んでるなんて、わかってない。
現世のときの続きが記憶にあるだけ…
おれは腰を下ろし、彼の視線に目を合わせた。
涙の奥にある、弱々しい目。
すがるような眼差し。
そのとき…
おれは彼女のことを思い出して、
「おれは、お前の味方だ」
そう言って、彼の震える小さな体を持ち上げて、部屋に連れていった。
おれが彼の担当となり…
すぐにでも天国に行くように諭した。
「天国にはお母さんがいるんだ。会えるんだぞ」
と教えてやったが彼はニコリともせず、
「お母さんが好きなのは、あいつだけ。
ぼくは邪魔だった」
ぼそっと応えた。
ここに来ても彼にとって周りの存在は、
すべて恐怖にすぎなかった。
自分が死んでるなんて、わかってない。
現世のときの続きが記憶にあるだけ…
おれは腰を下ろし、彼の視線に目を合わせた。
涙の奥にある、弱々しい目。
すがるような眼差し。
そのとき…
おれは彼女のことを思い出して、
「おれは、お前の味方だ」
そう言って、彼の震える小さな体を持ち上げて、部屋に連れていった。
おれが彼の担当となり…
すぐにでも天国に行くように諭した。
「天国にはお母さんがいるんだ。会えるんだぞ」
と教えてやったが彼はニコリともせず、
「お母さんが好きなのは、あいつだけ。
ぼくは邪魔だった」
ぼそっと応えた。


