そこには、思った通りの人物がいた。

かなり急いで来たのか、二つ結びがぐしゃぐしゃになっていた。



「はぁ、やっと見つけた。はいっ!これ。」



柚姫が俺の前に差し出したのは、小さな布に包まれたものだった。



「なに、これっ?」


「なに、これっ?じゃないから。忘れてったでしょ、お弁当。」


「あ!」



そう言えば、入れた記憶がないかも。



「もーホント。お兄ちゃんはどんくさいなぁー!?」



うわっ、俺ダサすぎじゃない。

もう今日は最悪だー。



みんな笑いをこらえているし。