緑色の葉っぱだった草木も、もうすでに茶色になっている。 今年も秋がやってきた。 少しだけ寒い風が窓から入り込んで私の髪をなびかせる。 「琴音、一緒に帰ろう」 帰る支度を終えたちーちゃんが私の席へと駆け寄ってくる。 教室の出口にはしおりちゃんも待っている。 「あ…ごめん。輝君と帰る約束してるの」