そう言うと彩華の母は 病室を出て行ってしまった。 なんとも嵐のような人だ。 でも彩華とそっくりな彼女は 亮也の心を少し和ませた。 亮也は改めて彩華の顔を見た。 まるで眠っているような顔だった。 いや、実際に眠っているのだが。 苦しそうでもなく、 すやすやと眠る子供のような寝顔に おもわず亮也の顔がほころんだ。 それと同時に右頬にあてられている ガーゼが気になった。