「月が綺麗ですね」


突然の彼の一言。


「月..?」


夜空を見上げると、満月が綺麗に輝いていた。


「綺麗..」


思わず呟いた私の腰に腕を回し抱き寄せる彼。


「愛してる」

彼は私に告げ、微笑んだ。

「私も、愛してるわ」


私がそう言うと、彼は微笑んでからまた空を見上げた。


でも、ね。

私は見逃さなかったよ。


何で寂しそうに微笑むの..?


貴方の目は笑っていない。

ねえ、どうして..?