あたしは丁寧にお茶を入れる。
昼間と同じように。
ううん、もしかしたら今までで一番気を遣って。
「どうぞ」
「…ああ」
部長のデスクにコトリと湯呑みを置くと、彼はあたしに目もくれず資料をめくりながらゆっくりと湯呑みに口をつけた。
せっかく張り切って淹れたのに、何のコメントもないんかい。
少しがっかりしながら自分の席に戻ろうとしたとき、部長はおもむろにこちらに視線を向けた。
「───そういえば。
残業なんて珍しいな」
何だ、お茶の感想じゃないのか…、って。
あたしってば、何がっかりしてるんだろう。
この男の口からおいしいなんて褒め言葉がそう簡単に出るわけないと分かっていたのに。
「恋愛は諦めたのか」
どうして、この男はいちいちあたしの神経を逆撫でするような言い方をするのだろうか。
さっき助けてくれたときと、あたしの淹れたお茶を褒めてくれたときに、実はいい奴かもしれないと感じたのに。
昼間と同じように。
ううん、もしかしたら今までで一番気を遣って。
「どうぞ」
「…ああ」
部長のデスクにコトリと湯呑みを置くと、彼はあたしに目もくれず資料をめくりながらゆっくりと湯呑みに口をつけた。
せっかく張り切って淹れたのに、何のコメントもないんかい。
少しがっかりしながら自分の席に戻ろうとしたとき、部長はおもむろにこちらに視線を向けた。
「───そういえば。
残業なんて珍しいな」
何だ、お茶の感想じゃないのか…、って。
あたしってば、何がっかりしてるんだろう。
この男の口からおいしいなんて褒め言葉がそう簡単に出るわけないと分かっていたのに。
「恋愛は諦めたのか」
どうして、この男はいちいちあたしの神経を逆撫でするような言い方をするのだろうか。
さっき助けてくれたときと、あたしの淹れたお茶を褒めてくれたときに、実はいい奴かもしれないと感じたのに。

