「侑梨!俺を置いていくなよ」 後部座席のドアが開いた。 ………ほら、来てしまった。 せっかく逃げてきたのに。 「……あんたとは帰りたくない」 そう言ってそっぽを向く。 冬哉ん家だってお迎えが来ているはず。 わざわざいっしょに帰らなくてもいいでしょ! てか帰りたくない! そんな私を気にすることなく冬哉は坂井に話し掛けた。 「坂井さん、侑梨とどっか遊びに行っていいですか?」