「………え、っと…」


侑梨は困ったように俯いた。



そりゃあ困るよな。


俺は彼氏でもないし……


結婚を強いられているとはいえ、ただの他人だ。



そんなことを考えていたら、俺は無意識のうちに飛び出していた。


考える暇なんかなかった。


ほんとに無意識に侑梨を女達から隠すように立ちはだかった。



「俺の嫁に何か用?」


………それから、そう言って。