「侑梨……悪かった」 そう謝る冬哉の声が耳に入った途端、私はぎゅっと抱き締められた。 その腕は優しくて……。 それだけで、なんだか泣きそう。 「私の方こそ……昨日は本当にごめん」 気持ちが伝わるようにと、私も冬哉を抱き締める。 すると、また冬哉も抱き締める力を強めるから、あったかい気持ちになった。 「京香のこと……橘から聞いたんだよな」 ーーズキッ。 京香……って呼んでるんだ。 付き合ってたもんね……。