「……なんで目ぇ合わせないわけ？」


冬哉の方へ向かされて、顎を持ち上げられる。


どうしても、目が合ってしまう。



強い瞳に目を逸らせなくなる。


まるで、逃がさない、とでも言うように……



「っ……！」



……止めてよ…


今の私、ひどい顔してるよ…



───見ないで……



「……して」

「ん？」


私の声は小さくて聞こえなかったのか、優しい声で聞き返す冬哉。