「ぜ、絶対言わない!」 侑梨はそう言った後、かばんからケータイを取り出して電話を掛け始めた。 ───は……? 誰に、電話すんだよ? 「あ、坂井!?今すぐ迎えに来て!」 ───ブチッ 電話口にそれだけ言い放ってから通話終了ボタンを押した侑梨。 ………いや、侑梨。 坂井さんの扱い方、雑過ぎだろ。 「……じゃあ、私行くね!」 踵を返して裏口から店内へ入っていこうとする侑梨。 「待てって」 俺は素早く侑梨の腕を掴む。