「あーあ。泣かせないとか言いながら早速泣かせちゃったな。ごめんな、渚。びっくりしたよな」
そう言って私の頭を撫でて、落ち着くまでずっとそばに居てくれた。
「帰ろう、渚」
私の一歩前を歩く爽ちゃん。いつも見ていた背中だったのに、いつもとは違うように見えた。
爽ちゃんも“男の人”なんだ。
私、今まで無神経なことたくさん爽ちゃんに言っちゃってたな。
会話のない、ぎこちないこの空気。
自分でもどうしたらいいのか分からなくて、ただただ爽ちゃんの後ろについて歩くしかなかった。
黙って歩いていると、爽ちゃんが急に立ち止まって振り返った。
「ごめんな、こんなタイミングで告白なんかして。ずりぃよな、俺。けど、もう耐えられなかったんだよ、泣いてるお前みてると。でも、返事は今すぐして欲しいわけじゃないからさ。ゆっくり考えて欲しい。頭混乱させてごめんな」
そう言って私の頭をクシャっと撫でた。
私はコクリと頷き、また爽ちゃんの後ろを黙って歩いた。

