「え……?」
一瞬、耳を疑った。
状況が理解できない。
キス一回、3000円……?
「俺、女の子とはそういうことでしかキスとかできないから。渚なら嫌がって突き飛ばしたりしてくるかと思ったら、すんなり受け入れたからびっくりしたよ」
「……ってい……さいってい!!」
目に涙を浮かべながら、走って私は公園から出て行った。
最悪、最悪だよ。
馬鹿みたい……期待してた私が馬鹿だったんだ。
全部、加菜の言う通りだ。
あの人は、お金で女の子を弄ぶような人だったんだ。
言われてたのに。加菜に、忠告されてたのに。
何やってんだろ、私……
涙が溢れ出てきて止まらない。
恥ずかしい、一瞬でもキスを受け入れようとしたことが。
しかも、全部見透かされてたなんて。
何で、何でこんなに苦しいの?
思い通りにならなかったから?腹が立ったから?悔しいから?
違う、違うよこれは……
「もうやだよお……」
溢れ出る涙がすぐに止まることはなく、ひたすら気がすむまで泣いた。

