彼は、こうやって何人もの女の子を落として来たのだろう。
彼にとって私は、そんな大勢いる女の子のうちの一人であって、特別な存在ではないのに。
私は今までこんな経験なんて、したことがなかったから、ちょっとしたことでドキドキしてしまう。
本当に何を考えてるのか分からない不思議な人なのに……
何でこんな気持ちになるのかな。
そんなことを考えながらボーッと歩いていると、
「いてっ」
ウサギ王子の背中思いっきりぶつかった。
「いててて……ごめんなさい」
「なあ見て。こいつ、めっちゃ可愛い」
何か愛しいものを見つめているようなその瞳の先には、
「ウサギだ!」
ペットショップにいる、クリーム色のウサギだった。
可愛い……
何だかちょっと、ウサギ王子に似てるかも。
なんて一人で思いながら、ふふっと笑った。

