「楽しみ過ぎて、終わったら走って来ちゃったよ」
子供みたいな無邪気な笑顔。
騙されない、私は騙されない!
と、思っていても心臓が言うことを聞かない。
ずっとドキドキと鳴っていた。
だって、そんな笑顔見せられたら……
本当にウサギ王子ってずるい、ずるいよ。
「ほら、行くよ?」
私の手を引っ張って教室を出ようとする彼。
「あの、私お金なんて持ってないです……」
私は遠慮がちにそう言って、掴まれた手をそっと離した。
「お金?何言ってんの?うさちゃんがお礼してくれるんでしょ。そんなの要らないって。ほら、早く行くよ!」
そう言って、また強引に私を引っ張った。
加菜の心配そうな顔が見えたけれど、私はウサギ王子に何も言わずについて行った。

