「私、梶くん探してくる」


「待ちなさいっ華!すぐにラボ救助がくるわ、彼の体に異変が起きたらラボ知らせる機能がついて」
「だめっ」


私は杏樹の言葉を途中で遮った。


「…直接、彼と話したいの。」


「…」


「ごめんね、杏樹。私、本当はお嬢でもないし、そのほか…色々と嘘、ついてたの、だから」
「ねぇ」


次は杏樹が私の言葉を遮った


「…私が貴女のこと、何も知らないわけ、ないでしょう?」


「…え?」


「全部煌さんから聞いてるわ」


「……じゃぁなんで。なんで…どうせ私の過去も知ってるんでしょ?ならどうして、どうして」


「…」

彼女が失敗した、って顔をした



「もういい。知らない。もう…」


私は心の底から力が抜けたような感覚で言葉を続けた


「面倒臭くなっちゃった」


私は生徒会室から抜け出した。


「華ちゃんっ!?」

がむしゃらに走った。



「梶くんはどこ…」


走りまわったけど何処にもいない。


「梶くん…蘭くん…」


梶くんは蘭くんと同様って一体…?

確かに似てたけど…
いや似てるようなもんじゃない、似過ぎる。


そんな事を考えていたら…


ピリリリリ

どこかでケータイがなってる

辺りを見回すと…

廊下の真ん中に水色のケータイが…


「…?」

拾ってみると、ディスプレイには“マネ”と映っていた


ひとまず持ち主かも、と思い電話に出る


「もしもし、」


「あ、和泉くん!?もうすぐレコーディングの時間なんですけど!はやく来て下さい!」


「え…?」

和泉、くん?

「あ、あれ?和泉くんじゃない?誰ですか、」


「あ、えっと和久井華です」


「えと…和久井?どこ所属?」


え?え?所属?


「え?あの所属とは?」


「え、君は歌手じゃないの?和泉くんは?」


か、歌手?