…とまてまて。


静にファンクラブ?
…まあ確かにありそうだけど、このミーハーな学園ならば


そのことを海斗に聞いてみると…

「ん、ああ…、久しぶり」


「…海斗、会話が成立していないわ」


やはり海斗は不思議だ。


「そう?あ、この本面白い。」


私は海斗の持ってる本に目線をうつした。


「なぁに?何の本?」


「今の“なぁに?”の部分のその可愛らしい言い方なぁに?」


…冗談なのか、天然なのか。
いやこんな事椎くらいしかしないし天然か。


…うん、海斗が天然て理解できるわー…。天然よりの不思議くん、てとこか。


「…というかまた会話成立してないのだけど」


「えとー、この本はー、ケセランパサランがドッペルゲンガーにうぎゃーって……」


「あー…、海斗。やっぱ質問内容を忘れて。聞くからに面白いか面白くないかわかるから。」


「えー…面白いのに」


「ある意味最後だけ気になるけどね」


「わー、チョココロネの細い方食べられたくらいショックなことに最後の結末の所15ページ分がないー。」


「え、!それは不良品じゃない!」


「あ!」

海斗が大きな声をだした

「思い出した…授業が暇すぎて破って紙ヒコーキつくってとばしたんだったー」



ズテン
今の私のこけた効果音はそんな感じ



「ないのかあ…残念」


「学園全体さがせば見つかるよ、多分」


「…そうね、でもいいわ。」

…いやいやこれは正に海斗ペースにのまれてる。


「海斗、聞きたいののはそれじゃないのだけれど…」


「…ああ、ファンクラブのこと?生徒会全員にあるよ。」


「…え!?本当に!?すごい…」


「ちなみに華にもあるよ」


「へぇ…私にもあるのか」


…ん?


「あ、あの…海斗。私にもあるの?」


「あれ?いま言わなかった?」


「…いや、言った。」


「だよね、間違えたかと思った。よかった」

「ええ」


…あれ?

「…え、私にもあるの!?」


「え、やっぱり間違えた?」


「え、その、なんで、え、なんで私のファンクラブ…が?」


「ちなみに、椎と想にもあるー、よ?」


へぇ…私にも、あるんだ