杏樹との話しあいが終わり…廊下を歩いていると



「君だけは何故だろう…騙せないんだ…La−、」


綺麗な歌声が、今現在使ってない旧教室から聞こえた。

これって…
Flower winter trance
…じゃない?


少し開いた扉から覗いてみると…


「ah…最後は笑顔で、難しいかもだけど…君の笑顔を見ていたい…uh−−…」

…終わった
パチパチと私は拍手をした。


「…?華。なんでいるの」

「杏樹に呼ばれて…って、どうして歌っているの?」

「歌唱力コンテストにでるから…僕」

「へ?梶くんが?…歌、上手ね…」


「…うん、そのために生まれてきた…いや、そのくらい大切なんだ、歌は。」

…よくわからないけれど


「歌が…好きなのね」


「うん。…ねぇ、僕はあまり人を干渉しないけど、これだけ聞いていい?」


「?なによ」


「昨日と大分喋り方違う事ない?」


アー…忘れてた。
すっかりさっぱり忘れてた。

「あー…えと、」


「言いにくいなら別に言わなくてもいいよ。僕だって言えないことたくさんあるし」


…それはそれで知りたいけど。
いや今はそうじゃなくて、


「…学園では、私令嬢扱いされてるから…そうゆう振る舞いをしてって煌さんが…」


「ふーん…まあどうでもいいや」

んじゃ聞くなや!



「、ねぇ…華」


「…何?」


梶くんの顔がキュッと締まって綺麗な顔がこちらにむいた。


「人は…変わるの?」


…?


「いや、人は“変われる”の?」


「…どうして?」


「………」

黙り込む梶くん。
様子がおかしい…


「…そう、ね。変われるわ。少なくとも私は変わった。…そう感じるけれど」


「…それは華だから変われたのかな、」


どうしたのだろう。彼の様子が明らかにおかしい


「…違うっ、とは判断出来ないのだけれどね。そんなに私は強くもないし。」

「…これ以上考えると容量overになる。ゆっくり処理しないと、」


頭を抱え始めた彼。


「大丈夫?」