side by KOU




目の前で崩れていった、蒼。






「おい! てめぇ。 蒼の何なんだ!」




最初に話しかけてきた、金髪が私の胸倉を掴む。




さっきとはまるっきりの別人みたいだ。





・・・・それだけ蒼が大事なんでしょう?





「何ボーっとしてんだよ!!」




「海里(カイリ)!! やめろ!!」





教室内は私の登場と蒼の失神によって、すでにザワザワしていた。





その中で、私と金髪のやりとりは、一際、目立っていた。





「君の正体は何?」




金髪を止めた、小さな男が私を見る。





その一瞬の隙。



私は目の前の金髪に手を挙げる。




予想していなかったのであろう、突然の衝撃に彼はとんでいく。





「・・・ハァ・・・ハァ・・・。」




体力的には問題ないはずなのに、息があがる。





「・・・帝。」



それを見ていた、チビ男が藤宮を見る。






「・・・捕えろ。」






来る。と思った時にはもう遅かった。





私の身体は自由を奪われていた。





これが、史上最強の族の力なのね。





1対複数は卑怯だと思うけれど。





「・・・複数なのは、卑怯だけれど。 君は相当な力を持っているっぽいから。ね。」







チビ男が私の正面に出る。





動きたいけれど、さすがに動けない。







「ちょっと、おとなしくしててね。」





その言葉と同時に、腹部に走った痛み。







目の前が真っ暗になっていった。