side by SOU
「おいで、蒼」
私に伸びてくる小さな手。
その手に、その身体に、たくさんの物を背負ってきた私の姉。
見ない間に痩せたね。
急に出て行ってゴメンね。
言いたい事はたくさんあるのに。
何から来ているのか、身体が震える。
「蒼? どうした?」
帝が私を見ながら優しく話しかける。
「蒼、帰ろう。」
紅も私に優しく言う。
「・・・いや・・・。 いや・・・・。」
口から出たのは、拒絶の言葉。
彼女の顔が歪む。今にも泣きだしそうな。幼い表情。
私のせいだ。私がまた彼女を傷つけたんだ。
身体の力が抜けていく。ゆっくりと景色が変わっていく。
「・・・ごめん。」
ちゃんと、いえたはず。
今度はちゃんと言えたよね?
「おい!! 蒼!!」
帝の声が遠のいていく。


