夏休みの魔法


悪いのは、感情を隠しきれなかったあたしじゃんか。


北斗くんはあたしのために怒ってくれた。


先輩として、当たり前のことを注意してくれた。





なのに、あたしは……。





北斗くんを、傷つけた。








「……っ…」





…涙は、流さないと決めた。


芸能界で頑張ると決めた。




全部全部、自分で決めた。


だから、守る。









だけどね。



これは、できない。













自分の感情に、思いに、嘘をつくこと。












これだけは、どうしてもできない…。