夏休みの魔法



「お久しぶりです!」


俺は久しぶりに会えたのが嬉しくて、駆け足で駆け寄った。


「久しぶり~。なんかまたちょっと背伸びたんじゃないか?」


「木崎さん、親戚の子と久しぶりに会ったような反応ですよ」


「おっと、痛いとこついてくれるじゃないか、北斗くん?」


こうやって、自然と話せるところが好きだ。

まるで親子みたいに話せる。




「あ、そうだ。木崎さん、新しく入った子なんですけど」


千来のことを紹介しようと思って、千来を振り向く。




そして、驚愕した。




「…せ、ら…?」




一瞬、ほんの一瞬。







千来が、すごく厳しい目つきで、木崎さんを睨んでいたように見えた。







まるで、仇でも見るかのように…。