そこへ桜木さんがやってきた。
「あらあら~、遊女みたいね!」
…遊女?
なにそれ…?
「桜木さん!千来にそんなこと吹き込まないでください!」
北斗くんが、まるであたしを守るように抱き寄せた。
抱きしめられているみたいで…恥ずかしくて、でも嬉しくて…。
訳の分からない感情に、パニックに陥りそう。
「いいじゃない、人生経験よ。…それに、男なら一度くらい憧れるんじゃない?遊びに」
「俺は憧れませんし、絶対遊びません!!」
あたしより頭二つ分くらい高い位置にある北斗くんの顔を見ると、赤く染まっていた。
「北斗くん、遊ぶってなんですか?」
不思議に思って尋ねると、北斗くんは驚いた顔をした。
一方の桜木さんは、ニヤニヤしてる。
「せ、千来は知らなくていい!まだ早いし、そんなもの知るな!」
そんな焦らなくても…。
なんか、あたしの親か!って感じの反応なんですけど。

